1986年6月リリース、ちわきまゆみのアルバム「ANGEL・・・・・You ARE Beautiful」
プロデュース&編曲は岡野ハジメ。
レコーディングには、ホッピー神山、矢壁アツノブ、渋谷ヒデヒロ、スティーブ衛藤も参加。

1. The World is Beautiful(作詞:竹中仁見/作曲:吉田 仁)
2. Little Susie(作詞:くらもちふさこ/作曲:吉田 仁)
3. Birdy Day(作詞:ちわきまゆみ/作曲:ホッピー神山)
4. よごれたいのに(作詞:宇辺セージ/作曲:岡野ハジメ・ちわきまゆみ)
5. ☽☆~Angel Blue
(作詞:宇辺セージ(☽☆)・ちわきまゆみ/作曲:岡野ハジメ・ちわきまゆみ)
6. Angel Fate(作詞:宇辺セージ/作曲:沖山優司)
7. アドルフは王様(作詞:巻上公一/作曲:バナナ)
8. Lotta Love(作詞:宇辺セージ/作曲:吉田 仁)
9. Ride On The Cloud(作詞:ちわきまゆみ/作曲:岡野ハジメ・ちわきまゆみ)
10. Metallic Heaven(作詞・作曲:渋谷ヒデヒロ)

 

スタッフ↑(クリックすると拡大画像)

 

「最近はジグ・ジグ・スパトニックをよく聴いていますね。サウンドに変な音が一杯入ってるんだけど、ビデオを見るとそれば何の音なのかわかるの。スペース・シャトルが真っ二つに分れた時の音だったとかね」と言うちわきまゆみの待望の1stアルバム『エンゼル』が6月4日、遂に発売されたのです。
今回もプロデュースはPINKの岡野ハジメで、その他作家陣にはサロン・ミュージックの2人を始め、ホッピー神山、バナナ、くらもちふさこ、巻上公一、宇辺セージ、渋谷ヒデヒロ、沖山優司が参加し、ちわき自身も3曲共作している。
「曲に詞がついて出来てきたり、一曲あがって度に毎回感動していたね。自分の周りに居る人達はなんて才能があるんだろうって」
『エンゼル』はひとつのコンセプチュアル・アルバムとして完成されている。
「現実から逃避しようっていうんじゃなくて、現実にある事も、人によっては幻覚や空想で見えることも全部を肯定しようっていう、そういう所からきているの。人には見えないけれど、自分には見えるっていうものってあるじゃない」
ちわきのとろけるような透明感のある声質と相乗する、覚醒しているようでドリーミングな宝石の山の如き輝きを放つちわきワールドの入口はそんなところにあったのだ。
「ラヴ・ソングとか歌っても、情でしばられるようなものは歌いたくないって思うの。私の歌はどれも情はないんだよね。愛は歌うんだけども、星とセックスしてるかのようなラヴ・ソングはあっても、実際の人間の男性と情でしばりあって好きよ愛してるわって歌ってるものはない。『エンゼル』の愛は性別の垣根を取っ払って、すべてを寛容するっていうこと」
サウンドの演奏の方はプロデューサーである岡野ハジメを中心にPINKの面々によって作られているわけだが、趣味通、職人通ならではの実にマニアックなエグイものに仕上がっているため、なかなか他のバンドでは味わえないくすぐったい快感がある。
「単にバックっていう感じじゃつまんないから、やっぱりバンドっぽいものにしたかった」
サウンドはかなりアクの強いものであるにもかかわらず、ちわきの歌は浮いちゃうどころか、臭い部分まで見事に消化して自分のものにしている。ヴォーカルの音楽許容量は莫大にしてポップである。グロテスクとも思える極端にイッちゃってるサウンドであればある程、ちわきのポップな資質ゆえに歌のダイナミズムがさらに拡がると思えてくるのだ。こんなシンガーそうそう居るもんじゃない。ちわきの大きな魅力だ。
NHKの「青春プレイバック」でも司会をする多忙な毎日らしいが、「休みはやっぱりボケでしょう。ブリブリになっている」
夏ぐらいからライヴをやって(現在バンドをセッティング中)、秋にはまたレコーディングに入るらしい。
「2枚目はさらにハッピーにハチャメチャにエンターテイメントしたいね、ドリーミングしたい」

 


作詞:宇辺セージ/作曲:岡野ハジメ・ちわきまゆみ

 


作詞:宇辺セージ/作曲:沖山優司

 


作詞・作曲/渋谷ヒデヒロ

【関連記事】
⇒「人体星月夜Ⅱ」へのアンサーソングとしての「Metallic Heaven」