スタジオマン同士が結成したエレクトロ・ポップ・ユニット。
おそらくこれが現時点でのHALOのパブリック・イメージであろう。これは、福岡ユタカと矢壁アツノブの二人があの”サイバー・グルーヴ・バンド”PINKの出身であることが大きいと思うのだか、PINKのメロウな側面を深化させたHALOは得てして無機質な”静謐ポップ”として位置付けられているのだ。
だが、しかし考えてみれば、これは大きなミス・リーディングである。そもそもこの二人はPINK以前は窪田晴男らと人種熱という名前からしてヘヴィなバンドをやっていたし、福岡は故江戸アケミとも音楽的盟友の間柄にあった人なのだ。
というわけで、今回は日頃何かと誤解を受けている福岡に出来るだけあけっぴろげにHALOの核心部分を語ってもらうことにした。話が多少精神論的なものに傾きすぎなきらいがあるかもしれないが、それはそのまま今後のHALOの指標であると判読してもらえればと思う。

だからねえ、もう僕たちは疲れちゃうんですよね。機械いっぱい使ってるからデジタル的だとかさあ。どうしてそういう風な捉え方が進んだのかね。もうわかんないね(笑)。たとえばさ、ステージでさ、チカチカ光るランプがたくさん付いてるとかさ。結局そういう所見てイメージだなんだって言ってんでしょ? TMネットワークっつったら、ほんとは鍵盤1個をMIDIにつなげばいいんだけど、とりあえずたくさん鍵盤並べるっていうさ、あんまりあーだこーだ言いたくないけどそういう所から自分でイメージ作ってるでしょ? で、僕たちで言ったら矢壁さんなんか結構ハマってるから「この人は機械をたくさん使って機械的な音楽をやって」とか、そういうすごい短絡した位置付けでしょ? それはやっぱり安直すぎるよね。だからね、今回の『TIDE』を聴いて何となくお高くとまってるなって感じるものがあるって言われてもさ、それは困りますよ。十分下世話な生活してんですから。お金だっていわゆる下世話な音楽をやってる人の方が今儲かってるわけだし。で、お高い生活をしてるんですから(笑)。

ほんとね、麻痺してると思うのね。それこそ今の東京ていうのは。それをパッとさ、日本以外のものを見まわしてみればさ、すごいやっぱりいいものはあるしさ。だから、情報はすっごいたくさんあるんだけど、全部同じ情報ばっかりでしょ。逆に言ったらちょっと昔の方がさ、いろんな情報がジャンルの違うところからスッと入ってきてたのにさ、今はノイズがすごく多くてノイズだらけでしょ。ちょっとやっぱり南の方の島に行くとさ、無音の状態で波がザーッとあってさ、耳がさ、やっぱりさ、いいわ。そういうとこの人のが。ちっちゃい音でも聴き分けられる。だから、昔、筒井康隆の小説にあったね。無音をお金出して買うっていう。ほんとそういう状況だと思うよ。

だから、これは1枚目の時から言ってんだけど、そういう所からポロポロさ、いいものが抜け落ちて行くこともあるんだよね。音楽が情報化するにつれエッセンスがだんだん抜け落ちて行ったんじゃないかっていう。それをすごく感じるよね。だから、HALOの音楽はそれをすくいとるものではありたいよね。

まあ、雑誌とかでこういうこと言うとさ、すごい大上段に見えて「お前らそこまでホントにすげえのか」って言われるかもしれないけどさ(笑)。そりゃ、自信は持ってますよ。今ある意味じゃ、こういうデカい音(と喫茶店内のスピーカーを指さす)、鳴ってりゃ勝ちじゃない? そういう所で、みんな絶対耳悪くなってると思うからさ。そういう状況はなんとかしたいよねえ。だから、ポップでありたいと思うんだよね。ただ音出すんじゃなくて、ちゃんと音楽を届かすって意味でさ。

(インタビュー:斎藤まこと)