ガイ・リッチー監督のイギリス映画「ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」(1998年)のリバイバル上映を見に行った。
日本で公開されたのは1999年だが、ついこの間見たような気がする。

この映画、よく分からないタイトルのおかげで随分損をしているが、とにかくテンポが良くて面白い。カードのイカサマ勝負にはめられて、まともな方法では返済できない巨額の借金を背負わされたギャンブラーとその仲間3人が、麻薬取引の金を強奪しようと企てるところから騒動が始まる。ドラッグと金の争奪戦で山ほど人が死ぬわりには、暴力も流血も戯画化されてどこか滑稽で笑えてしまう。画面全体はくすんだセピア系で、音楽がとても洒落ている。公開当時、ダサかっこいいと絶賛されていた。

原題をそのまま邦題にしている長ったらしいタイトルだが、もともと「Lock, stock and barrel」は「すべて」「何から何まで」「全部」という意味で使われている慣用句らしい。それぞれの単語が銃のパーツを指している(lock=発射装置、stock=銃床、barrel=銃身)。smoking barrel というのは、銃口から硝煙が立ち上っている状態のことだろう。映画の中では、盗まれた2丁の骨董品の銃が重要なカギとなる。
この映画の面白さを端的に表現できる邦題はなんだろう。日本語のタイトルを付けるのが難しいのがよく分かる。


今回のリバイバル上映の予告編

 


英語圏での予告編。公開当時の日本の予告編が見つからないが、こんな感じだったと思う。
こちらの方が音楽のカッコよさや登場人物たちのハチャメチャぶりがよく分かる。

 


「Hundred Mile High City」Ocean Colour Scene 予告編冒頭に使われている曲。

 


「Walk This Land」E-Z Rollers この曲もとても印象的。

 


この映画は殆んど女が出てこない。背景でくねくね踊るストリッパー、カードゲームに立ち会う年配の女、そしてヤク中の若い女ぐらい。

 

ヤク中の彼女こそ本当のカメレオン女優