1999年12月に発行された『ロック・クロニクル・ジャパン Vol.2  1981-1999』。
ロックとタイトルに入っているが、ポップス系のアーティストも取り上げられている。

PINKは「ニューウェイヴ~ポスト・テクノ・ポップ」の章で、戸川純、リアル・フィッシュ、パール兄弟、ピチカート・ファイヴ、P・SYS等々と共に紹介されている。


そして本書で紹介されているのは、デビューアルバムの『PINK』でもなく、『光の子』や『PSYCHO-DELICIOUS』でもなく、エピックソニー時代の曲をまとめた『デイドリーム・トラックス』だった。
デビュー前からエピックソニー期にかけてのサウンドが一番好きだというファンも少なからずいるのは確か。

 

【PINK/デイドリーム・トラックス】
①ZEAN ZEAN ②MOONSTRUCK PARTY ③PRIVATE STORY ④砂の雫 ⑤HINEMOS

アルバム・デビュー前に※シングル1枚だけをリリースしていたエピックから87年にリリースされた、初期のPINKの片鱗を記録したミニ・アルバム。鈴木賢司も参加していたメンバーも流動的なレギュラー・セッション・ユニットだったこの時期は、まとまりはない代わりに、次にどんな音が飛びだしてくるかわからないスリルと野性的な魅力に満ちあふれていた。後期PINKとは別のユニットの記録として残されていてよかった。

(※実際には「砂の雫」「PRIVATE STORY」の2枚がリリースされている)

 

この本が出版されて20年以上が経つ。今の視点で編集したら、選ばれるアーティストや作品はまた違ってくるのだろう。
PINK関連では、ホッピー神山の『音楽王』、PUGSの『大人のきもち』、デミセミ・クエーバーの『DEMI SEMI QUAVER』などが掲載されていた。

 

先述の『デイドリーム・トラックス』に収録されている「ムーンストラック・パーティー」には「THE MAGNIFICENT SEVEN」という副題が付いている。有名な映画「荒野の七人」のテーマ曲をサンプリングしている。
ライブ中盤この曲が始まると、いつもは後方にいるスティーブさんが、木の実のような打楽器を手にステージ中央に軽やかに踊り出てくるのがお約束事だった。いつも楽しみにしてましたよん♪


「子供はみんなビートニク」のエンディング(at 日比谷野音)1987年4月

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