不帰の客となった坂本龍一の膨大な仕事の中で、自分にとって馴染み深いのは、プロデュースやアレンジなどで関わった女性アーティストの作品である。1980年代の中頃に集中している。
★飯島真理
デビュー・アルバム『ロゼ/ROSE』より「Blueberry Jam」(1983)
作詞&作曲:飯島真理
アルバムプロデュース&アレンジ&キーボード:坂本龍一
参加ミュージシャンは、大村憲司、吉川中英、後藤次利、林立夫、山木秀夫、浜口茂外也などの顔ぶれ。コーラスで杉真理も参加、スタイリストは佐藤チカ。
A面1曲目「Blueberry Jam」は薄紫色の夜明けとともにアルバムが始まるイメージで、ミスティで切なさも漂う美しいアレンジ。
★大貫妙子
アルバム『SIGNIFIE/シニフィエ』より「夏に恋する女たち」(1983)
プロデュース:大貫妙子&宮田茂樹
アルバム全10曲中のアレンジ担当は、坂本龍一5曲、清水信之4曲、鈴木慶一1曲。
坂本龍一アレンジ曲の参加ミュージシャンは、大村憲司、吉川中英、後藤次利、林立夫、浜口茂外也、沢村満、中村哲。
大貫妙子がソロになってから、8枚のアルバムで坂本龍一と一緒に仕事をしているそうだ。そのうち『シニフィエ』を含む6枚はよく聴いたし、いまだに手元に残っている。
「シニフィエ」コンサートツアーのパンフレットに掲載された写真
★EPO
アルバム『HARMONY/ハーモニー』より「TIBETAN DANCE」(1985)
プロデュース:EPO&宮田茂樹
アレンジ:清水信之
作詞&作曲:EPO(「TIBETAN DANCE」のみ坂本龍一作曲)
参加ミュージシャン:清水信之、松武秀樹、村松邦男、佐橋佳幸、溝口肇、浜口茂外也ほか。
『音楽図鑑』(1984年)に収録された「TIBETAN DANCE」をカヴァー。EPO自身が作詞して歌っている。
大ヒットしたこの曲にも参加している。
バックの顔ぶれも豪華。
「今だから」 松任谷由実・小田和正・財津和夫(1985)
作詞・作曲:松任谷由実、小田和正、財津和夫
編曲&キーボード:坂本龍一
参加ミュージシャン:高橋ユキヒロ、後藤次利、高中正義