高橋幸宏氏の訃報に、自分自身でも驚くほど衝撃を受けている。
今日は一日、地に足が着いてない感じで過ごしてしまった。

高橋ユキヒロ(どちらかという、この表記でなじんでいる)といえばYMO。
YMOに特別思い入れがあったわけではないのだが、それでもテクノブーム期のYMOの曲は自分の記憶の中にしっかりと刷り込まれている。特別なファンじゃなくても知っている、YMOはひとつの社会現象だったのだから。

YMOは初期のアルバムしかまともに聴いていないのだが、当時は曲を聴くよりも写真集「OMIYAGE」や「SEALED」を繰り返し眺めていた。「OMIYAGE」には各メンバーのインタビューや身近なお気に入りのものを紹介するページもあり、彼らの生い立ちや好み、バックグラウンド等がうかがえて、読み物としてもたいへん面白く興味深い。
「OMIYAGE」はアルファベットの並べ替えで「YMO AGE にI(愛)をこめて」という意味だったと記憶している。

 

IMAGE COLLECTION by TAKAHASHI(写真集「OMIYAGE」より)

 

高橋幸宏のソロ作品では、『音楽殺人』や彼自身が主演した映画「四月の魚」(監督:大林宣彦)のサウンドトラックが馴染み深い。


「BIJIN-KYOSHI AT THE SWIMMING SCHOOL」アルバム『音楽殺人』収録

 


「四月の魚 POISSON D’AVRIL」
作詞:高橋幸宏/Pierre Barouh 作曲・編曲:高橋幸宏

ヨーロピアンテイスト溢れる洒落た曲。
彼はいつも淡々と歌う。
途中のフランス語の部分は、ピエール・バルーと一緒に歌っている。
美しく少しもの哀しくて、まるで水にたゆたうようだ。

 


「Boys & Girls」サディスティック・ミカ・バンド

 

すっかり黄ばんでしまった『音楽殺人/Murdered  by the Music』のアルバムジャケット。今日はこれを聴いて追悼。
B面ラストの「THE CORE OF EDEN」は映画「地獄の黙示録」を思い出させる。

謹んでご冥福をお祈りいたします。
(1952.6.6~2023.1.11 享年70歳)