時々、昔好きだった曲を思い出してふと聴きたくなることがある。
今聴いているのは、TOTOの「99」。セカンド・アルバム『Hydra/ハイドラ』(1979年)に収録されている。
ネットで検索してみて、今になって知ることも多い。このアルバム『Hydra/ハイドラ』はセールスが伸びず、TOTOの他のアルバムほど注目・評価されなかったようだ。
このアルバムからシングルカットされた曲で唯一チャートインしたのが、美しく切ない「99(ナインティナイン)」。
人々が番号で呼ばれる世界でのラブソングだということはなんとなく知っていたが、ジョージ・ルーカスのSF映画「THX 1138」にインスパイアされてできた曲らしい。この映画で描かれているのは、人間が鎮静剤を与えられ番号で管理された近未来。そんなディストピア的世界でのラブソングだと思うと、切なさも倍増。
「99」さんを愛しているこの曲の主人公も、同じく「数字」で呼ばれているはずだ。例えばこの「99」をクリスティーンとかマリアンヌとか女性の名前に置き換えてもいいのだが、これが「数字」になると、曲の世界が無機質で非現実的なイメージに塗り替えられる。PVも白っぽい非日常的空間で撮影されている。
当時は誰が歌っているかなど、全く意識していなかったが、「99」はスティーブ・ルカサーがヴォーカルを担当している。ルカサーさん、歌も上手かったのね。
アルバムのタイトル「Hydra」はギリシア神話に登場する多頭の怪物。
今回、改めて通してアルバムを聴いてみたが、A面1~3曲の「Hydra」「St. George and the Dragon」「99」以外はあまり記憶に残っていなかった。