‘80年代の頃、今より歌い手も聴き手も洋楽コンプレックスが強く、日本語を英語っぽくグニャグニャ歌うのがもてはやされるような風潮があった。

そんな時にバービーボーイズ(Barbee Boys)を耳にして、
「こんなにはっきり日本語で歌ってカッコいいなんて!」
と激しい衝撃を受けた。
男女の駆け引きの際どい歌詞に耳をそばだて、この歌詞をストレートに理解できる喜びに浸り、
「日本人でよかった・・・!」
とその幸せを噛みしめたのだった。

曲・詞は殆どギターのイマサ(いまみちともたか)によるもので、その独特の世界は今聴いても新鮮さを失っていないし、当時からワン&オンリーのバンドと言われていたが、未だにその評価は変わらない。
迫る女と逃げる男
ずるい男とすがる女
いじけた男と奔放な女
浮気な男女
気弱な男女
・・・・いろんなストーリー(かなり不健全)があるが、KONTAと杏子のツインボーカルに発情期の若者達は興奮しまくったものだった。
特に「目を閉じておいでよ」なんて完全にR指定の世界。

ハスキーボイスの杏子姐さんは肉感的な体型じゃないのに色っぽかったし、KONTAはボーカルとサックス演奏でいつも汗だくで頬もこけてこれまた色気が蒸気のように周囲から立ち上っていた。
あるサイトによると別名、「S◎Xマシーン・ブロウ・イット・コンタ」(◎にAとEどっちを入れるかは自由???)だったらしい。
既に「エロい」という表現も古くなっているが、当時その言葉があったならまさに二人ともそうだったし、バービーボーイズそのものがエロいバンドだった。

4枚目のアルバム「Listen!」がリリースされた直後、私は大失恋をしてその後しばらくフリーズ状態だった。
「泣いたままでlisten to me」(「Listen!」収録)を聴くと今でも切なくなる。
次のアルバム「√5」以降はどっぷりとはまって聴けなくなってしまった。
大好きだけど哀しい私のバービーボーイスである。

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