日本のバンドについてコメントをする際、”○○風サウンド”ということばをよく使う。それにならってこのPINKを、ポリス風で片づける人も多いようだが、そういう人は馬に蹴られて・・・・・いや、彼らのライヴにぜひ一度、足を運んでほしい。PINKのライヴに魂を揺すぶられない人がいるとしたら、それこそ本当に馬に蹴られてしまえばいいのだ。
と、PINKのこととなるとつい熱くなってしまうのだが、彼らほど感覚的に無国籍で、個性的で強烈なビートを持つバンドはちょっといない。
さて、本作は彼らの2作目にあたる。デビュー作ではややマニアックな傾向があったが、今回は、一皮むけた明るさ、ポップさが印象的だ。張りつめた糸のようだった前作に比べ、余裕が出てきたのだろう。
特に、ホッピー神山のキーボードの音には感服。おそらくイミューⅡによるスクラッチ音や各種効果音、そしてメロトロン風サウンド(これがいいんです)など、ニュアンスを持った音とでもいうのだろうか、別に派手に目立つわけではない何気ない音なのだが、どれもオリジナリティ溢れ、異様な存在感を持っている。
まぎれもなくPINK風サウンドを築き上げた彼ら。何かやりそうだぞと感じさせるバンドがいる。これはとても嬉しいことだ。
(千 雅子)

「キーボード・マガジン」1986年3月号掲載