はやりものの音楽なんてやりたくない!!

アルバム「PINK」でデビューした6人組が、アレンジ中心の日本のロック・シーンに投げつけた問題提起とは!?

現在の日本の音楽シーンの中で、もっともイキイキしているロック・バンド---それがPINKだ。
この5月にアルバム「PINK」で本格的なデビューを飾った彼らだが、以前から全国各地のライブ・ハウスでは圧倒的な人気を誇っており、耳ざといロック・ファンの間では大きな話題を呼んでいた。

メンバーは福岡ユタカ、岡野ハジメ、ホッピー神山、渋谷ヒデヒロ、矢壁アツノブ、スティーブ衛藤の6人。それぞれ”ビブラトーンズ”、”ショコラータ”、”爆風銃”といったクセの強いバンドで活躍してきたテクニシャンだ。そんなことから、他のアーチストのレコーディングやライブなどにも、引っぱりだこである。

そんな6人が一体となって作り出すPINKのサウンドは、強烈なインパクトをもったパワフルでダンサブルなもの。ヤワな歌謡ロックとは、明らかに一線を画する刺激的なサウンドだ。

とはいっても、今はやりのコンピューター・リズムやサンプリング音などのエレクトロニクスをガンガン使ったものではなく、むしろそれらをあえて拒否したかのような、最近のティアーズ・フォー・フィアーズにも共通する、肉体感のあるオーソドックスな音造りをしている。そこが逆に新鮮で、魅力的なんだ。

「いわゆるはやりものっていうのは、2、3年たつとダサくなってしまうから、やりたくないんです。特に日本のロックには、そういうアレンジの目新しさだけを追っているものが多いけど、僕たちは詞と曲の良さで勝負したいですね」(福岡)

こんな発言にも見られるように、PINKはサウンドのみならず、そのスピリットもかなり鋭角的だ。メンバー全員、向こうっ気が強く、そのツッパリ具合いがなんとも頼もしい。その意味からいっても、久々に登場したロック・バンド然としたロック・バンドという気がする。

PINKは、このほどアルバムに収められていた「YOUNG GENIUS」をリミックスし、12インチ・シングルとして発表。そして今後は学園祭を中心に、精力的にライブ活動を続けていく予定だ。

彼らのソウルフルでエキサイティングなステージは、きっと多くのロック・ファンを熱狂させるにちがいない。
1985年の後半は、PINKに要注意!

(文・渡辺 亨/撮影・佐藤元一)

「FMレコパル」1985年 8/12 No.17掲載

※PINKファンの方より貴重な記事データをご提供いただきました。