”人恋しい季節もここまで深まってしまえば、開き直るしかない”
そう決心した今日このごろ、こんなに素直なPINKからの便りが届きました。
”冷たく窓をぬらす雨・・・・・ガラスのくもりをぬぐうとそこにあるのは ”あなたという景色・・・・・そしてそれはありのままの自分を映している”
10か月ぶりのNewシングル(11/28発売)「KEEP YOUR VIEW」は、淡々とこの季節の感触を歌ってくれます。
作詞に吉田美奈子を迎えたことが白黒的なイメージを塗り変えて(本当はちっとも白黒的じゃなかったけど)より具体的にビジュアルなボリューム感のある曲にしてるようです。メジャーへのアプローチとも取れるけど、それよりも何かが変わったみたい。10月にロンドンはBUSBY’SでGIGを、おまけに12inchのミックスもやってきてしまった(発売は来年3月になりそうだけど)らしく、そこらで何かが起こったのかもしれない。そういえば、ある友だちが「ロンドンって行ってみなけりゃわからない強力な”哀愁”のある街だ」なんてずいぶんくやしがらせてくれたけど、そんな風に吹かれたせいかもしれません。
福岡裕のボーカルの”冷たくて暖かい”っていうか”新しくてなつかしい”魅力がたまらなくいいのです。「ひとつの愛からこぼれ落ちてきた哀しみの粒が雨・・・・・」夜更けの高層ビル街をウォークマンで50回、雨の日、湾岸をドライブして34回、ぼんやりと聞いていたい。PINKにとってこんなアプローチを持つ曲は初めてなんじゃないかな・・・・・。おまけにこの曲”マクセル・ビデオ・カセット”のCMイメージソングとしてON-AIRされるというわけで、いよいよこの冬、全国的にPINKの大雪を降らすことになりそうです。
「KEEP YOUR VIEW」をこの冬のテーマ・ソングに、12月18日の大阪厚生年金と、12月21日の渋谷公会堂でのコンサートに足を運ぼうと思います。

文●浜悟朗

 

「GB」1987年1月号掲載