NOVEMBER 5th at SHIBUYA KOHKAIDO
THE FINAL・・・そう、最後なのだ。いくら観たいと思っても、もう観ることはできないのだ。そのためか、超満員の観客の間にも異常なほどの緊張感が漂っていた。荒野の七人のテーマに乗って、さっそうと現れた福岡ユタカ(vo,g)、ホッピー神山(k)、岡野ハジメ(b,g,vo)、逆井オサム(g)、矢壁アツノブ(d)、スティーブ衛藤(per)の6人。当たり前のことなのだが、彼ら6人がPINKだという事実は、やはり凄いことに思える。だって彼らひとりひとりが、紛れもなく現在の日本の音楽シーンの最前線にいる人たちだから・・・。で、演奏の方だが、これがまた恐ろしいほどのテンションの高さ。個々のテクニックは非の打ちどころがない彼らだが、バンドとしてのまとまりも、これまた非の打ちどころがないものだった。この3年間の歴史を振り返るような、まさしくラストにふさわしいと言えるライブ。 ”あー、もっと、いや、また観たい”。観客全員がそう思ったに違いない。(直)
Photos by Eiji Kikuchi
「ギター・マガジン」だけあって、掲載画像は逆井オサム(G)フォーカス。
「ギター・マガジン」1989年1月号掲載