――バンド活動は順調ですか?
ホッピー(以下H):順調、順調。
矢壁(以下Y):無苦労だもんね。
H:苦労だけはするまいぞと結成したのがPINKですから。
――自由を求めて作られたバンド!
H:そうそう。自由の使者ですね、つまり僕らは。
――スゴイですねぇ。(笑)ちなみに自由の使者たちはいがみ合ったりはしないんですか?
H:ゆがんでます!(キッパリ)顔がまずゆがんでるでしょ、みんなね。顔はデカいし、ゆがんでるし、スバラシイ。
――やっぱりロック・バンドなんかに入ると自然にゆがんじゃうのかな。
Y:そりゃあるんじゃない?生活のリズムも悪くなるし。
――自分でなんて悪いんだと思うことある?
Y:ホテルとかで暴れたりしてるとさ、やっぱ悪いかなぁと思うけれどね、密かに。
――PINkは暴れるってよく聞きます。
H:有名でしょー!僕いっつも止めるんですけどね。
Y:えぇ!?(笑)
H:夜遅くなって帰ってくるとロビーで注意するわけですよ、「これ、おまえら」っつって。
Y:これだもん。(笑)だけど出入り禁止になったりするね。
H:まーねぇ。でもホテルはひとつじゃないし。
Y:そうそう。そーゆーことだから。(笑)
H:やっぱねぇ、たまるんですよ、音楽とかやってると。ねっ!?(矢壁氏に同意を求めている)それを一気に吐き出す!情けない、情けないですねぇ。(一同笑)
――だけどライブも吐き出してるようなもんでしょ?
Y:うん。だからそれが持続するんだろうね。酒飲む暴れる大騒ぎ!
H:矢壁さんなんか凄いですからね。ライブ終わったらビール瓶持って街歩く、ね?!
Y:そうそう。
H:しかもラッパの御代。自分の靴を脱いでバーっとビールついで飲め!
Y:いつも靴の底がビショビショでヤだね、アレは。(一同笑
――お二人の人柄がしのばれるようなお話ですねぇ・・・・。
H:そうですか?でもこの二人を抜かすとあとの人はもっとひどいですよ。
――もっとひどいのっ!?(驚いている)
Y:あんなのまだいーよねぇ。ぜーんぜんいーよぉ。
H:常識がないですからね、まったく。大変ですよ。あんな常識のない人たちとはできたらつき合いたくないんですけどね(笑)、ホントは。
――でも仲いいんでしょ?
H:(アッサリと)いや、嫌いです。(笑)
――一般には友達ようなバンドが多いけど?
H:PINKはいつの間にか集まったバンドなんですね、これが。で、イビられた人間が出てって残ったの。
Y:破綻者だけが残ったんだよね。
H:そう、強者が残った。
――コ、コワイですねぇ。(笑)
H&Y:コワい、コワい!(ハモる)
Y:それがいいところ。
――い、いいかなぁ。(笑)
H:いいですよ!ロック界のナチ収容所と呼ばれてます。(一同爆笑)
んんっ!? 今回のテーマは純粋で少年の心を持っているからあんなすごい音楽ができる、ってことじゃなかったっけ!? でも彼らって困った奴だけど、何故かにくめないんだよね。
(撮影・加藤昌人/文・宇都宮美穂)
「GB」1987年7月号掲載