いや-、それにしても都心からは遠かった!大友克洋の「童夢」に出てくるメガロポリスをホーフツとさせる近未来的背景の中に、ありましたよ、ウワサの光ヶ丘IMAホールが。

5月27日、そのホールに、われらのピンクがサンディ&ザ・サンセッツとともに出演したというワケ。

彼らは、現在4枚目のアルバムのレコーディングに入っており、この日はその間隙を縫っての貴重なライブ。キャパ1000人ほどの小さな会場は、いかにもピンク大好きといった風情のanan少女やワンレンのおネーさん、ごくフツーの青少年と実にいろんなタイプのファンでいっぱいだ。

シンプルなステージに「Naked Child」のイントロが流れ始めると、例によって客席は一気にダンスフロアと化してしまう。
「Shadow Paradise」のような静かな美しい曲もピンクの大きな魅力のひとつだが、やはりライブでは「ZEAN ZEAN」や「Young Genius」Young Geniusといった、強力無比なノリを持つ曲のインパクトがとりわけ大きい。脳髄と下半身を直撃するビート。そのうねりに身を任せて踊る快感はピンクならではのものだ。音の衝撃度もさることながら、ピンクほど音楽でDanceする楽しさを教えてくれるバンドは他にはない。

アンコールはおなじみの「Moon Struck Party」。ライブでしか聞けないと思ってたこの曲をはじめ、初期の名曲がミニアルバムに収められて7月に発表されるというのも嬉しいニュース。

全12曲とチョイ短めなのが不満だったけど、それは彼らのせいじゃない。今まで数え切れないくらいライブを見てきたピンク。やっぱり彼らは最高のライブバンドだということを、改めて認識した一夜だった。

(文・コンサートで頭がクラクラになった後、写真集のエンちゃんのNudeを見てまたクラクラしてしまったカイユミコ/撮影・石田昌隆)

 

「GB」1987年8月号掲載