――ピンクっていうと派手なイメージがあるんですけども・・・。福岡 昔の方が派手でしたけれどね。衣装とかは椿ハウス時代頃が一番派手で、あとは、去年か一昨年の夏のサイケデリックパーティーなんかやった後のネオサイケの流行った頃かな。菱沼ヨシキさんに頼んで衣裳作ってもらったりとか。メンバーの好みが違うから調整するのは大変です。みんなセンスもいいしね。

――ライヴ見に来る人も派手ですか?
福岡 椿ハウス時代はカラフルで、文化服装の人が多かったですね。最近はよく解らないけど。LPだしてからは男のファンも増えて来たみたい。音楽ファンがね。

――昔の方が派手でノリが良かったとか・・・。
福岡 ワイルドな部分とソフトな部部を出したいってのはあるけど・・・。

――録音とかも全部自分達で?
福岡 そう。ミキシングとかスタジオに入ってからのノウハウは殆ど自分達でやりたいし・・・。仕事とかで結構スタジオのノウハウを勉強してきたからそれを駆使してやりたいという・・・。今はセンスの良いバンドでも録音の時になると録音のノウハウを知らなさすぎるんだよね。だからレコード出すとパワーが落ちたとか言われちゃう、特にビートバンドは。スタジオも楽器のひとつだと思わないと。

――TRA5に入っている1分の曲はどんな風に?
福岡 あれは1分で椿ハウス用のを作ってくれって言われて、岡野君と8チャンネルでワーッと作って、あれ結構音はいいんですよ。8チャンネルの割にね。そこがうちのサウンド作りの秘密なんですよ。

――マンガなんかは読みます?
福岡 結構何でも読むけど、安西水丸さんが好きですね。水丸さんとは一緒に仕事もしたし、水丸さんの「東京エレジー」が大好きで、読むと、僕と似たような、空気の近い所があるんですよね。

――フランシス・レイの世界とかが好きって聞いたんですけれども・・・。
福岡 わりと映画音楽は好きですね。ニノ・ロータとかいろいろ。やっぱりメロディーが良くないと。”ポピュラリティ”というものを考える上でも映画音楽ってのは参考になりますね。というのは今、ピンクとは別にパフォーマンス・グループの”レベル”っていうのがあって、そこで一緒にやってる音楽も面白いんです。実験音楽的にやったりテープ編集したりとかね。でもピンクでやっている場合には”ポピュラリティ”を考えていかないと音楽活動を続けていけないし、売れなきゃ活動できないっていう今の状況ってありますよね。インディーズのひとが5千枚6千枚売るってこともあるし、どうなって行くかは解んないけど、ある程度売れて、ポピュラリティとか考えていかないとね。

――そういう意見を聞けて嬉しいですね。
福岡 もう少し”ロック”していたいとかね、その辺の美学はうるさいですよ。特に岡野君はT・REXの大信奉者ですから(笑)。やっぱり”ロック”の良さって言うか、それが無いと格好悪いっていうのがありますから。最近だと・・・、カッコいいと言えば、プリンスはカッコいいし、スキャンダラスだし、やっぱりそういう所がないとね・・・。まあ、好みですけれども・・・。

(インタビュー/三浦マサヨシ)