福岡 僕らの音楽って、難しいとか、聴きづらいとか、思っている人が多いのかも知れないけど、決してそんな前衛的なことをやっているわけじゃないんですよ。
ホッピー 外見だけで判断しないでいただきたいですね。中身は、やさしいお兄さんたちですから(笑)
スティーヴ バンドが初期の頃、インタビューなんかで、けっこうつっぱって、カッコイイこと言っちゃってたからね。その辺で誤解されてると困るんだけど・・・。
福岡 PINKの曲は、誰にでも聴いてもらえるポップスなんです。ただ、今までの形とは違うものだと思うけど。例えば、日本語がいちばんピッタリあっているのは、よく演歌と民謡だとかいうでしょ?でもそれ以外にも、まだみんなが見つけていない曲調で、うまくはまるモノがあると思うんですよ。つまり日本語や既成の音をこわすのじゃなくて、新しく発見できるモノがね。そういう今までになかった日本の歌、ポップスを僕らは作っているつもりなんです。
岡野 去年の10月上旬に、ロンドンでライヴをやったとき、むこうの人たちが”PINKはオリジナリティーのあるポップバンドだ”と受け取ってくれたのは、嬉しかったね。
矢壁 日本では、僕らは異端派なんだと言ったら、「いや、そんなことはない。誰にでも楽しめるポップス感覚だ」と答えてくれたもんね。けっこう自信がついちゃった。
福岡 逆に言うと、メロディとかサウンドをひねくって作ろうとすれば、いくらでもできるんですよ。でもそういうのって意味はないし、正統派で作っていいモノがいちばんいいんだと、思っているしね。自分たちだけが、おもしろがって曲を作っていても、つまらないですから。
ホッピー PINKのようなタイプの音楽を聴いたことのない人が、多少違和感はあっても、僕らの音を体で感じてくれれば、きっとその人の中に残ってくれると思っているんですけどね。
福岡 PINKの曲のメロディは、ほとんど僕が書いているんですが、アレンジや構成はみんなと一緒にやるんです。
岡野 コード進行だけ決まってるみたいな曲を全員で”セーノ”でやってみて、それから全体が出来上がっていく感じだね。それぞれ各自が、まず音を出してから考えるんです。
ホッピー すごいですよ。はやめに自分の存在をアピールしておかないと、曲の中で出番がなくなりますから、このバンドは(笑)
矢壁 ドラムとベースはバンドの音としてぜったい必要だからいいけど、ほかのパート楽器の人たちはね、ふっと気を抜いてると、なんにもしないうちに曲が終わっちゃう(笑)
福岡 自己主張の強い、わがままな人間の集まりですから、ほんと。
スティーヴ オレなんかパーカッションだから、曲によっては出番の差が激しくて・・・。まあ年末の水道工事みたいなもんで・・・(笑)
ホッピー 最近水道工事はいつもやってます(笑)