福岡 僕らが集まったのは5年くらい前かなあ。当時、ピテカントロプスとかツバキハウスとかのライブハウスが盛り上がっている頃でね。それぞれ別のバンドをやってた連中が、一緒に映画見に行ったり、遊んだりしているうちに、「おもしろいバンドやろうか?」ということになって、それで作ったのがPINKなんです。
岡野 最初の頃は、月に1回か2回、ライブを演奏するぐらいだったんだけどね。そのうち”オモシロイ音を出す奴らだ”ということで、CFの音楽のハナシとか、アレンジ、プロデュースの仕事もきたりしてね。戸川純ちゃんの仕事もやったよね。
福岡 そのうちレコードを出すということになって・・・。それまで僕らはバンドというよりは、流動的なプロジェクトっぽかったんだけど、一応デビューということで、自然とメンバーも固まってきたんですよ。それで’84年6月に、シングル「砂の雫」をリリースしたんです。
ホッピー もともと、新しい物が好きな連中が遊び半分で始めたバンドだからね。個性はバラバラだけど、新しいモノに対する意欲とか、その時代に対しての気持ちとかは、共通して持っているよね。
岡野 うん。音楽だけじゃなくて、趣味とか遊びの部分からスタートした仲間だからいいのかもしれないね、僕らは。初期の頃はいつもみんなで遊んでたもんな・・・。
福岡 バンドとしては、こういう気持ちはぜったい忘れちゃいけないと思うよ。
「3001年のスターシップ」
作詞:湯川れい子/作曲:氷室京介/編曲:ホッピー神山
アルバム『Hippies』収録(1987年3月5日リリース)
スティーヴ 先日、実は僕らで小泉今日子ちゃんのLPの仕事をしまして・・・。LPに収録されるうちの一曲なんですが、もう大変な騒ぎになりまして、僕らみんな。
ホッピー BOØWYの氷室氏が作曲した「3001年のスターシップ」という曲なんだけど、僕のところへアレンジがまわってきてね。それでPINKのメンバーに「ハイ!キョンキョンの仕事やりたい人!」って聞いたら、全員がパーンと手を上げた・・・(笑)
矢壁 ホッピーが言い出す前から個人的に申し込む奴もいた(笑)
ホッピー 僕がいつも、ほかのアーチストのアレンジをやったりするとき、参加メンバーを募るんだけど、みんな、あーだ、こーだ言ってやらないクセにね。キョンキョンのキの字を口にしたとたん、全員参加ですから(笑)
スティーヴ レコーディングの時は、キョンキョンがスタジオに来るというので、みんな大ハシャギでね。あきらかに、前の晩から枕もとにセットしておいたとした思えないようなファッションで来る奴とか・・・(笑)
岡野 しかも、首からカメラさげてた(笑)
矢壁 うっかり普段着で来たために「着がえに家に帰っていい?」と言った奴とか・・・(笑)
ホッピー 彼女がスタジオに来る前は、「なんだよ、こなくちゃオレやらねーよ」とか文句いってたのに、ミキサー室のガラス越しにキョンキョンが見えたとたん、「わー、来ちゃった、どーしよー」になっちゃって。みなさん演奏をトチっていましたなあ・・・(笑)
岡野 PINKは全員で、ほかの人のバックをやることは、ほとんどないからね。個人的には、スタジオの仕事とかあるけど。だから、そういう意味でも新鮮だったよね。
ホッピー 結局、レコーディングは3時間ぐらいで終わっちゃって。彼女と写真撮ったり、話していた時間のほうが長かった(笑)
矢壁 ホッピーは、いろんなタレントさんの曲もやっているから、感激はないでしょ?
ホッピー いーえ、以前にキョンキョンとの対談を断られたことがあったので(笑)思わずアレンジにも力が入りましたね(笑)
岡野 でも、さすがキョンキョンならではのハナシだよね。大物ですよ、彼女は・・・。