珍しく全員にインタビューしている記事。
ギターの渋谷ヒデヒロ氏のコメントが載っているのは貴重。
バンドとゆーのはメンバーが多ければ多いほど、ファンの人気度などでエコヒイキが起きてしまう。この民主主義の世の中で、ソレはイケナイ!と平等に燃えるワタシは、この際全員をバッチリ紹介したい、と思ったワケだ。
え? どのバンドかって? PINKですよ、PINK! 本日のテーマは、”自分はどーゆー人間だと思うか?”。
まずはエンちゃんこと福岡ユタカ。
「健康か不健康かっていったら僕は健康だと思う。小さいころは自然の中で育ったから信じられないくらい健康的だったもん。だけどさ-、そんな二元論で語ってもしょうがないんじゃない?僕みたいな性格」
アーッそれ以上言わないで。ワタシついてゆけなくなる。吉本隆明なんでムツカシイ本、読むの苦手ですもん。
「べつにフツーじゃないの?」
お次はベースの岡野ハジメ。
「いて座のA型そのまんまの性格。ツッ走って止まらないけど飽きっぽい。熱しやすく冷めやすい。いろんなことに関心を持ってる。哲学的なものと野獣性が同居している。ベース持っても人と違うことをやりたいと思うんだけど、ベースらしいベースが弾けないの」
彼はグラム・ロック(昔はやったギラギラ衣装で演奏するセクシーなロックのスタイル)が大好きで、いまだに夢中。カッコいい音楽やりたい、という彼のルーツはすべて(?)グラム。
続いてはホッピー神山。キーボード。
「えー僕はつかみどころのない性格だけどストレートなことが好きなんです。PINKの中では雰囲気を盛り上げる役目ですね。楽器の性格からいっても。でもね、ホントは今使ってるみたいなキーボードってキライなの。気持ちが入んないから。一番スキなのは生ピアノ。でも今はキーボードも必要だから」
大沢誉志幸のアルバムでアレンジをやってたけど、特にそっち志向はない。
さてGB編集部周辺で一番ファンが多いのがカメちゃんこと矢壁カメオ。メンバー中いちばん小柄だけど担当はドラムス。
「だってボク、最初はドラムスじゃなかったんだもん。でもムカシはドラムって男性的な楽器だと思われてたけど今はそうでもないでしょ。いろんな音から等距離にいる中間的、中世的な楽器だと思うんだ。ボクのバンド内での立場もそうみたい。前は几帳面な性格だと思ってたんだけど、このころもっと几帳面な人を見て、ボクはチガウみたいだなーと思ってるの」
続いて隠れファンがいるギターの渋谷ヒデヒロ。とてもおとなしくてインタビューするのがタイヘン。
「僕は自分を殺せるところまで殺しちゃうの。自分で考えてることがあっても、あんまり言わない」
この撮影をした加藤カメラマンにも「あっハズカシ屋さんでしょー」と言われてた。
「今やりたいのは”奥の深い”音楽。でもステージではまだ表現力がないからネ。でも苦痛に近いくらいの刺激が好きで、ヌクヌクしてるのはキライ。PINK?居心地良くなきゃ、やってないよ」
ラストはパーカッションのスティーブ衛藤。ウエストコースト生まれでニューヨーク育ち、そして現在は東京でPINK・
「僕は石橋をたたいて渡るんじゃなくて、石橋を叩かず自分で作って渡っちゃうタイプですねー」
つまり、他人の作った信用できないものを使うくらいなら自分で信用できるものを作っちゃえってこと。
「ウチにいるときは、いろいろ楽器作ったり、何か細かいもの作ってるのが好きですあんまりメンドクサイこと好きじゃないし、理にかなわないものはダメ」
とゆーわけで、PINKの全メンバーの紹介オワリ。
大沢誉志幸のバックアップその他で活躍中の人も、このバンドに専念している人も共通しているのは”ガンコ者”ばっかりだってこと。
自分たちのスタイルをちょっとやそっとじゃ曲げない。それが緊張感のある演奏を生むヒケツみたい。
この夏は初のライブハウス・ツアーもやって、一段とパワフルになったPINKに注目を!!
(文:今井智子/撮影:加藤昌人/ヘア・メイク:野元まさなお)