ロックはライフ・スタイルを感じさせる音楽でなくてはならない。逆にライフ・スタイルを感じさせる音楽がロックなのだ。デビューLPを発表したばかりのピンクは強力にそれを感じさせるバンドだ。彼らの存在、サウンド、言葉、ビジュアル、全てがロックなのだ。「流行りの服を着るのってオシャレじゃない。絶対にダサイ。サウンドもそう、ニューウェイヴを意識した音って歌謡曲レベルでも演ってる。だから自分たちの音はよくオーソドックスなものとして表現したかったんだよね。単なる流行りとは違ったものを、ね。」
オーソドックス=正統派、この言葉通りの音をピンクは形作っている。
以前、鮎川誠がこんなことを言った。”ヘビメタとかパンクとかって片付くような音楽は、ロックやない!!”。ブラック・ミュージックっぽい、パンクっぽい、グラムっぽい、”っぽい”といった言葉全てが彼らには不必要、何ものにも当てはまることのない無国籍感覚とスケールの大きさが彼らの魅力なのだ。
「僕らはその辺の時流にのろうとするミュージシャンとは違う。僕たちは時流を作ってく立場ですからね」。
ピンクは時流に負けることなく頑固なまでに自分たちのライフ・スタイルにオリジナリティを求めて活動するロマンを孕んだバンドだ。
「宝島」1985年7月号
■撮影/西川よしえ ■背景/坂本志保
隣りのページは大沢誉志幸の記事。「ARABLEⅢ」ツアーには、岡野ハジメ、ホッピー神山、矢壁アツノブが参加している。
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