4/12 日比谷野音で行われた”子供はみんなビートニク”。去年は”勇気ある子供達が時代をつくる”というタイトルで行われたこのライヴは、無名の新人から大物まで、様々なジャンルが入り混じったライン・ナップである。
しょっぱなは”Pearl”。女の子バンドが急増する中で、唯一骨太のロックを気持ち良くかましてくれる。ヴォーカルのSHO-TAのしゃがれた声が、まだ明るい野音の空気を振動させていた。
この日は曇り空でかなり肌寒い日だったが、そんな寒さに負けじと、元気のいいバンドが次々に飛びだして来る。”ユニコーン” ”フェビアン” ”横山輝一” ”モーターズ” そして最近ますます株が上がって来た”レピッシュ”。キーボードの具合がちょっと悪かったけど、派手なステージングに、お馴染みレピッシュ乗りのキレのいいサウンドを展開。彼等を観に来ていたお客さんも随分いた様だった。


そしていつもはち切れそうに元気一杯の”Be-Modern”、イッセイの独特の雰囲気に女の子が熱狂する”Der-Zibet”、ノリノリロックの”TV” そして話題の、16歳という若さが物議をかもしている”FUZZ”と続き、後半では”THE SHAKES”がウ~ンとビートを効かせてくれた後、”A-JARI”の登場。すごい人気だったんだけど、やっぱりちょっとアイドル乗りだったなぁ。

そしてラス前は、”PSY’S” 安定した演奏に加え、ゲストに鈴木賢司、SIONを迎え、大人っぽいステージを見せてくれた。
最後はPINK。寒い中セッティングに30分以上かかったのには頭に来たが、いざ演奏が始まると、やはりノッテしまった。途中ちわきまゆみが加わり、いつも通り華やかで派手なPINKのステージ。
アンコールでは、その日出演したメンバーが顔を揃え(全員じゃないけど)、殆ど乱入という感じのレピッシュのマグミが、勢い余ってエンちゃんを客席に突き落とすというシーンもあって、観てる方はかなり楽しめた。
お昼から夜8時まで、ちょっとごった煮過ぎの気もしたが、一度にこれだけ多くのバンドを、それも一度も見た事のないバンドを見れる機会はそう滅多にないだろう。
あんまり楽しいので、途中何度も帰ろうと思いつつ結局最後まで観てしまった。来年はどんなバンドが顔を出すかがまた楽しみだ。


「子供はみんなビートニク」のエンディング(at 日比谷野音)

 

「SOUND NEWS」掲載(1987年6月発行)