PINKっていうバンド名を見て、”ン?知ってる!”というアナタはきっと大沢誉志幸のファン。チガウかな?前回のツアーと、いま真っ最中の大沢くんの全国ツアーのステージで、バックをつとめる人たちの半分は、PINKのメンバー。ニュー・アルバム『in・Fin・ity』のアレンジをしたホッピー神山(キーボード)、小さなカラダでビシバシのビートを叩き出す”カメちゃん”こと矢壁カメオ(ドラムス)、腰のすわったファンキー・ベースが得意の岡野ハジメ(ベース)の3人が、今回のツアーに参加している。でも、PINKのメンバーはあと3人。トンがった声が印象的な”エンちゃん”こと福岡ユタカ(ヴォーカル)、メガネをはずすと細面の美少年、マジメそうな顔してサイケもする渋谷ヒデヒロ(ギター)、リズム感覚ならおまかせのスティーヴ衛藤(パーカッション)。この6人でPINK!

うっかり「あー、大沢君のバック・・・・・・」なんていうと、「僕らはチガイマスッ! PINKは別のバンドですっ!」と言われるから要注意。たしかに、PINKはPINK。すごくユニークなサウンドを持ったグループだ。

これまでに2枚のシングルを出していて、1枚目はカセットのCM曲になった「砂の雫」、もう1曲は映画「チンピラ」のテーマ曲「プライベート・ストーリー」で、このたびレコード会社を移籍してめでたくファースト・アルバムが完成。5月25日にリリースされる。タイトルはズバリ「PINK」。
「僕らはポリシーないけどホコリ高いバンドです」
エンちゃんが胸を張ってこう言う通りさまざまなサウンドのエッセンスを取り入れながら、クオリティの高い音楽をやってる、とこのアルバムを聴くとビンビン伝わってくる。シャッキリしたサウンドとパワフルなビート、それにトンがったヴォーカルが一体となって、のりがよい新しい”ロック”をやってる。ふだんは洋モノのロックしか聴かない、と言う人にも「PINK、好き!」っていう人が多いことでも彼らの力量はわかるはず。

そしてライブはアルバム以上にグイグイのせてくれる。PINKのライブに来てジッとしてるなんて、ムリな話。いつの間にか、足が、腰が、動いてしまうってな調子。

いまのところは東京中心だけれど7月からは全国各地にツアーに出る予定。コンスケ新聞etc.でスケジュールのチェックして、必ず見てね。ゼッタイカッコイイバンドだから!
(今井智子)

 

「GB」1985年7月号掲載