そうだ!IND’s誌上で おピンク様 などと不遜な事を書いたのは私です。でもそう書かずにはおれない何かがあったのだ。
CMがらみのシングル・ヒットもTV出演もPINKの成功に違いない。でも、でも、でも根が素直じゃない私は手放しでヨロコベなんだ。何かが違う。何かが変だ。昔のPINKはも少し破けてた。も少し破天荒だった。
PINKは日本1のスゴ腕バンド―――なんて思わない。本当はすごく不器用で一本気なバンドな筈。PINKを縛りつけている見えない網はナンだ!? おピンク様の明日はどっちだ!?
ホッピー神山
ダンシングホッピーの爆弾発言「PINKになんか未練はないぜ!!」
Position
「自分の役割はね、PINKはみんな個個が自分はエライと思ってる事は確かなんですけどね。PINKの中でね、僕だけ血液型O型なんですよ。他のメンバーは全員A型でね、どうしてもA型の人間って自分の好きな方向に細かくマニアックに行ってしまいがちな傾向があるんですね。僕の場合、O型だからさっくばらんに雰囲気で作業を進めるのが好きなんですよ。だから、その細かいところをもっとラフで雰囲気のあるポップな方向にひっぱる役目が僕にはあるんじゃないか―――って。メジャーなヒットパターンのありきたりなポップスと違って、伝統的に本当のポップスっていうものは、ひとくせあるものだと思うんです。だからトリックでポップなように思わせといて、実は中身があるって方向に持って行くのが僕の役割だと思うんですけど。」
Labor&Pains
「爆風銃の頃は・・・・・4年ぐらい前になるのかな?爆風銃は、すごくアンラッキーなバンドでしたね。ヤマハのコンテストに出場したのはいいんだけど、その時から財団扱いになってしまって―――LMCっていうのが、その頃できちゃったんですよね。財団ってレコード会社から嫌われててね。財団が動かない限り、財団扱いになってしまったバンドはデビューできない状態になっちゃうんですよ。僕らは知らない間にダマされて契約させられちゃってね。レコード会社の人たちが見に来てくれるんだけど、契約がなくなってから―――って話ばっかりでね。アッタマ来ちゃって、財団に毎日、電話したり座り込んだりしてね。そんな事やってるうちにバンドもエグい事できなくなってきてね。なんだかんだやってるうちに契約が切れるのと同時ぐらいの頃にバンドも行き来がとだえちゃってねぇ。みんな日雇いバイトみたいなのやりながらバンドやってたからねー。じゅうたんバイトとかビルの窓ふきとかやってね(笑)。それって高層ビルの窓ふきだから、隣りでやってた奴が落ちて腰がくだけて一生バーだ!!なんて事もあったりしてね。今、爆風スランプにいる(ファンキー)末吉なんかと共に20代前半にして人生重いものを味わったという―――(笑)。でも、そういう状態だからこそFUNKができたんだと思うんですよね。」
My sporting life
「もともとね、中学高校とスポーツやってたんですよ。中学の時はバレーボールやってて、高校に入ってからは弓道とサッカーを。その頃は音楽よりそっちの方がスキでね。身体を動かして汗かいた後ってすごくハイになれるんですよね。草野球ぐらいならミュージシャンもやったりするみたいですけど なんかあれはスポーツをエンジョイするって事とは違う気がする。やるんだったらサッカーみたいにガーンと動きまわる方がいいよね。チームプレイのコンビネーションってバンドに通じるものがあると思うし。
最近はスポーツクラブが流行ってるでしょ。それでウチのカミさんがですね、2年ぐらい前からスポーツクラブに勤めはじめたんですよ。そういう事もあって、そこに入会して通うようになったら、とてもいいんですよ。遊びまわった日の翌日も早く起きてジムへ行って汗を流すとスッキリしてやる気が起こるんですね。身体は疲労するんだけど精神がクリアになって、クリエイティヴな作業にとりかかり易くなる。気分をハイにしてそうした作業にとりかかる時、ドラッグか肉体を鍛えるか、2つに分かれると思うんですね。僕は両方ともすごくいいと思うんだけど、肉体的な方が長い時間、ハイなものを得られるから―――ヨガに近いかもしれないね。肉体と精神を結びつけて身体を鍛えるって事は今、人間がやるべき事だと思うんですよね。
Conflict
「今までのPINKのレコードの作り方って、歌いたくない―――ってところで作業が止まってたからね。ヴォーカリストのエゴ中心の作り方だったんですよ。時間も無くてね、ゴシャゴシャになってたしね、レコーディングなんて戦争になってたしね。3枚目もレコーディング前にいろいろ話し合って決めたにもかかわらず、そうなってしまったからね。だから今度のレコーディングでそんな事になったら途中でやめちゃうつもりだしね。もう、そんな風になったらPINKなんか未練ないからね。PINKは素晴しいミュージシャンがいっぱいいるから、ひとつになった時のパワーはすごいけど、ひとつになれない時のぶつかりあいもすごいからね。もう、そうなったらね全然、未練ないですから(笑)。
3枚目に関して言えばね、地味なしっとりしたバラードタイプの曲がね、最近のエンちゃんのやりたいところだったらしいのね。ぼくはリードヴォーカリストじゃないから、ああいうバラードチックなもので熱唱されても困る―――ってのがありますからね(笑)。
昔の曲がカッコいいって―――みんなスキなんですよ。みんな、あれがPINKだと思ってるでしょ?あれを期待してライヴを見に行っても、ここ1年くらい肩すかしばっかりでしょ?ねぇ?幕があいたら地味な曲ばっかりで終わってね、そりゃマズいよね。やってる方も不完全燃焼だし―――。『サイコ・デリシャス』 の前後はそういう事だった―――って事で片付けといて。これからのPINKは変えたいし、絶対変わると思うし、そっちに期待して欲しいんですよ。こないだのツアーでこれからの方向性につながるような部分を出してたつもりなんですけどね。」
Instrument
「うん、攻撃的なソロをかやろうと思ってる人がいないもんね。ソロは家で考えてくるとかね。僕はいつも何も考えないから毎回、やる事違うしね。僕はライヴの時でもレコーディングの時でも、自分でやった事に対していちいち感動しないとイヤなんですよ。自分が知らず知らずのうちに弾いたものがカッコよくて、自分で感動できるかどうか―――っていうところを良い悪いのバロメーターにしてるんですよ。本能だけで自分の指に弾いてもらって、あとで確かめるという。」
Manic Monday
「今、暗いんです。なんか重いものがいっぱいあって、スッキリしてない。なんかふっ切れるものが欲しいんですけどね。この間もバイクを買って乗りまわしたりしてたんですけど、なかなか・・・・・。どうしたらいいんでしょう?
いや、ステージは楽しいんですけど私生活とは別ですからね。そのつどそのつど、与えられたものは楽しむように心がけてるんだけど、楽しんでる以外にのめりこめるものが今、あまりなくて、そういう意味ではパワーダウンしてるのかもしれない。
僕、躁ウツが激しくてね。この業界これじゃいけないと思って、あいさつやお礼ぐらい言えるような気持ちにはしてるんだけど(笑)。
本当、ダウン状態になるとなかなかはいあがれなくてね。どちらかというとそんな感じなんですね。今はレコーディングとかで『やるぞ!』って気持ちにならないといけないところなんですけどね。まぁ、1回乗っちゃうとかなりグルグルに行っちゃうタイプなんですけど、アハアハ。」