福岡 1月26日に発売したサードアルバム「PSYCHO-DELICIOUS」は、今までのLPよりぐっと聴きやすいと思うので、ぜひ聴いてほしいですね。ある意味ではPINKらしくないといわれる部分もあるけれど、僕らは、なるべく過去のイメージは変えたいので・・・。

ホッピー マクセルのCFに起用されたシングル曲「KEEP YOUR VIEW」も、PINKとしては異色作だけどね。今までなら僕らを知らなかった人たちが「いい曲だな」と思ってくれて、それがLPを聴いてくれるキッカケになれば、うれしいな。

福岡 今、時代の流れって音楽の世界でもすごいテンポで変わって行ってるでしょ? 特にあくせく時代を追っかけることはしたくないけれど、”いま”というのは、いつも意識していたいと思っているんです。もし時の流れに乗るタイム・マシンがあるとしたら、それに乗りつづけていたいな。

岡野 常に新しいモノをさがすことは、楽しいことだものね。

ホッピー ただ、僕らは流行をそのままに取り入れたくはないな。ある意味では、今ヒットしている洋楽っぽいモノをやるというのは、カンタンなことだから・・・。でも、今だけの目先の流行りだけじゃなくて、10年後に聴いても、いいと思える曲を作っていきたいよね。

矢壁 少しくらいクセがあったり、毒気があったほうが、長い間、あきないで聴けると思うんですよね、僕らみたいな音のほうが。

スティーブ でもPINKは、なぜかサーファー及びJJギャルには嫌われるんだよね(笑)

岡野 レコードだけを聴いた人は、難しい顔して演奏してるんじゃないかなと思ってるかもね。本当は僕らは、すごく楽しくやってるんだけどさ。

ホッピー 好きなことを楽勝でやってるっていうのが実感だな。それに人が言うほど、難しい音楽をやってないしね。

岡野 少しでも多くの人にPINKのポップ感覚とか遊びゴゴロを知ってもらえればいいな。

福岡 2月下旬から、全国ツアーが始まるんです。大きいホールでやるツアーは、今回で2回目なんだけどね。もちろん最新LPの曲を中心にした構成で、最初はガツンと衝撃を与えておいて、真ん中はジックリと聴かせる。そして、最後は「みんな盛り上がろうぜ」という感じにしたいな。

矢壁 まあ、ゴンドラに乗って登場するみたいな派手な仕掛けはないけどね(笑)音楽を好きな人には、たっぷり楽しめる内容ですよ。

ホッピー 僕らはレコードを作るときは、ライブのことはあまり考えないで、サウンドを作っちゃうけどね。いざステージになると、メンバーみんなけっこうがんばっちゃって、密度の高い音を出すもんね。レコードとは違ったサウンドも聴けるので、ぜひ見に来てほしいな。

福岡 LPもライブも今年はがんばって、またファンの人を増やしたいね。たくさん売れたらNYに行けるというウワサもあるし・・・(笑)

ホッピー すごいですねぇ。イギリスに続き、アメリカにも進出かな? 世界のPINKも夢じゃないね!

月刊明星 1987年4月号付録、ヤンソン(Young Song)掲載

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