CHARACTER BUSINESS

ロックは単に音楽ではない。キャラクター・ビジネスとしての側面がとてつもなく大きい。簡単に言えば、色気ということなのだが、PINKにはその名前のわりにいかがわしさが感じられない。

福岡 「アイドルとかキャラクターといってもいろいろあるでしょ。歌謡曲のアイドルからいろいろなアイドルから。だから、それはそれでいいと思うんだよね、全然。百通りの人がいれば百通りの存在があるわけだから。ただやっぱり、もう少し音楽を聞く人がいてもいいんじゃないかという気持ち。それはさ、キャーとか騒がれたら悪い気はしないよ。でも何か変じゃないかな。それだけがすべてになっちゃったら。・・・・・ただ、それはそれでいいんじゃない。・・・・・なってみないとわかんないよ・・・・・」

岡野 「PINKがアイドルになるの?いいですねえ、なりたいですよォ、アイドル大好きだから僕。かわいい子とかルックスのいい子は男でも女でも大好きなのね。ピンク・レディとかすきだったし、すごく。僕はああいう存在にデカダンスを感じるのね。・・・・・なんかキレイな感じがするの。・・・・・音楽性だけをどうのこうのって嫌いです。汚らしいと思う。僕は音楽そのものだけっていうのにはそんなに力を感じてないしね。音楽と映像とキャラクターと肉体とその果てにあるいろんなものが関連してね。・・・・・PINKは音楽だけの集団だとい終われたりするんだけど、僕はそうじゃない。僕はケバくてハデで、の方が好き。もっとハデな格好したいっていうのありますよ。でも怒られますからね(笑)。でも言いますね、最後まで言います。ひどいときはそれで押し通すんだったら俺はやめる、とかね。あるじゃない?僕は生ものは食べられませんみたいなさ」

 

AFTER 『PSYCHO-DELICIOUS』

サード・アルバム「サイコ・デリシャス」が発売になった。全二枚に比べると内容がわかりやすい。曲はバラバラだが、一曲一曲のまとまりがいい。今までの決算的な意味合いも感じられるアルバムである。
福岡 「第一期はこれで固まったってのはあるね。でもまた別の切り口があるから、それはどうなるかわからない。80点のものを90点にするっていうんじゃなくてね、別のものにチャレンジした方が楽しいじゃん。ライヴ出すっていう話もあるんですよ。だけどまだみんなそんな余裕ないだろうな。まだ三枚目のことで頭が一杯で。俺自身もそうだし。

岡野 「次のアルバムからはスタンスを別のものにしたいと思ってる。もうわかったからね。今のやり方でできることはすべてやったという感じはするしね。僕個人もそういうのはもう飽きちゃったし。具体的にどうなるかは皆目わからない。わからないけど僕はすっごい強力なビートのやつをまたやりたいんだよね。ムチャクチャ強力なビートでもっと過激な方に行きたい」

ホッピー 「とりあえず今回のは、一、二枚目の集大成って感じはしますけど、僕としてはまだもの足りないですけどね。僕らはいいもの作っても叩かれるっていうか、常に新しいものを作っていかないと『今一、インパクトに乏しい』とか言われるのね。その期待に応えていきたい。今作は一、二枚目のいいとこを合わせてあるんだけど、一、二枚目には全然ないくて、コンセプト的にもあたらしいものとあんまりないような気がする。次へとつなげる方向性を感じさせる曲がないっていうかね」

 

ATITUDE TOWARDS JAPANESE ROCK

日本におけるロックが、やる方もきく方も、どうも面倒臭い回り道を強いられていると感じている人は、きっとすごく多いはずだ。ロック・シーンなどといってもたかが知れている日本では、どこにスタート・ラインを取ったらいいのかがわからない。個人的なルーツにこだわり続けるか、それとも歌謡曲のフィールドまで降りていくか、対応としてはそんなところが関の山だった。しかし、我々にとってはもはやロックは借り物でもなんでもない。正々堂々と先端を歩めばいいのだ。
三者三様だった意見が、ここでは奇妙な一致を見る。

岡野 「僕はエキセントリックな売れ方をしたいと思ってるから。僕は今の日本のロックと呼ばれている人達の売れ方ってのはカッコ悪いと思ってるわけ。全然エキセントリックじゃないと思ってるわけ。あれだったら僕は歌謡曲の方が全然好きだなあ。エキセントリックだと思うなあ。いわゆる日本のロックとされているのは、僕良くわかんないんだけど、すぐに武道館でガンガンやってしまうようなバンドとか(笑)その辺でしょ。ああいうのはロックっていうか・・・・・謎のものだよね(笑)」
「日本の音楽界ってのは演歌っぽいんですよ。ヒット・チャートってのが結構、音楽とは別のところで作られているってのはありますでしょう?その辺の問題もありますね。売る内容と売れる事ってのは、暴力的な言い方ですけど、そこまでの関連性ってのは僕はないと思ってる。いいものを作れば売れるとは僕は思わない。だけど売れるものはいいものであって欲しいってのはあるのね。だから僕は売れてる人とこれからも仕事したいし、そしたら一番いいじゃない、すごくヒットするって確実にわかってるんだもん。キョンキョンとかチェッカーズとかね。そういうところでまずカッコイイものを作るってのも大切じゃないかと思ってる」
「地道なこと嫌いですからアタシ(笑)一生懸命、汗水たらしてやるとか、美しいと思わないんだ俺、全然。やっぱりもっと生活良くなりたいとかさ、いい女を抱きたいとかさ(笑)、いい車に乗りたいとかさ、そういう事を露骨に思うんだったらさ、もっとガシガシやるべきだと思うよね。その方がカッコいいと思うんだけどね。すごいマジメなのね、みんな」

ホッピー 「実験するにしてもメジャーで売れてかないと意味がないと思うんです。だけど売れてから実験するってのは日本ではあんまりあり得ない。売れたら売れたでその路線を続けないと、っていうのばっかりで、うれたから今度は好きな事やってみましょうなんてのはないんですよ」
「(大沢誉志幸の)『ライフ』がなぜああなったかというとですね、もともとボクが『インフィニティ』でやる時には『僕は僕のやりたいようにしかできないよ』って事で話があってね、だけどディレクターとか出版の方のチェックがいっぱいはいるわけですよ。『コンフュージョン』が売れたから、それからあんまりはずれたら困る。自分のポジションにもかかわることでもあるしね(笑)。だから僕『インフィニティ』は大嫌いなの。中途半端になったから。僕が変な風にやろうとしたら『これは違う。ホール&オーツをきいてぇ』みたいな(笑)。そいでホール&オーツのレコードかけられちゃって。『パワー・ステーションのスタジオのあのパーンって音、いかないのォ?』みたいな事言われて(笑)、ガックリきちゃって。でも大沢君のあの時の立場だったら、そこまでいかなきゃいけなかったかもしれないしね。僕のソロじゃないんだから、そこまで嫌だなとも言えないしね。ただそれで『ライフ』の時はディレクターのチェックもなしに好き勝手にやらしてもらいました(笑)」
「もともと僕がロックをやり始めた時っていうのは70年代、上の世代に魅せられてからなんですよ。周りには安全バンドとか四人囃とか頭脳警察とかがいる時に10代で出てきましたから影響すごく受けてる。だからロックというのはこういうものだ!みたいな美学っていうか、それは忘れられないものとしてあります。だからレベッカもBOΦWYも一途な感じが足りないような気がするのね。なんか一点を見つめてね、ロックの美学を感じさせるようなところがないのね。鮎川さんとか忌野清志郎さんがロックに対して思うような、少女漫画じゃないけど目に星の光が宿るような純粋なものが、ぼくには見えてこない」

福岡 「今、音楽やりたいって純粋に思っててもお金かかるでしょう。僕なんか地方出身だから、自宅がないとシンドイってのあるよね。マジでね、そっちの方面でやめてく人がほとんどだから。音楽はぜいたくなもんだよね。金喰い虫でしょう。しかもバントやったってそんなに儲かるもんじゃないし。向こうのバンドみたいにスタジオ・ミュージシャンやっててもうこれ以上儲からないからバントやって儲けようとかね、逆でしょ日本は。バンドやったって儲かんないんだもん、全然」
「インターナショナルな活動したいね、やっぱり。やっぱり向こうの音楽きいて触発されてさあ、こっちで作ってこっちだけでウケてどうのこうのってつまんないよ。やっぱ向こう行かないと絶対つまんない。BOΦWYみたく売れるとかさあ、安全地帯みたいく売れるとかさあ、なんかさあ、力はいんないよね。向こうの音楽を好きになった自分というのは変わらないわけでさ、だったら向こうに行くとか、向こうとタメ張れるものを作っていく方がさ誠実な作り方だしさ、気持ちいいと思うの。いつまでも向こうで流行ったものをさ、半年遅れでリメイクして出してさ、ナウいんですよとかロンドンぽいんですとか、つまんないよ。だからさ、向こうのものに惚れちゃったんだから、これはもう惚れた者の弱みよ。そう思ってやっていくのがまた、手っ取り早いと思うしね」

(Text▲増井修/Photographs▲村越元)

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【参考記事】
・大沢誉志幸アルバム「LIFE」レコーディング参加
・大沢誉志幸アルバム「in・Fin・ity」レコーディング参加